確定申告のポイント!

  • 不動産所得は事業規模に注意


その他所得のある人の確定申告

不動産所得者の確定申告

「地代・家賃・テナント収入・・・」といった不動産所得のある方の場合、自宅の一間を他人に貸しているレベルから、賃貸マンションやテナントを多数所有して事業化しているレベルまでその規模は様々です。

そこで以下に『不動産所得者の確定申告』の特殊な部分について簡単に記載しておきます。

1.不動産所得とは
土地や建物などの不動産 (地代、家賃)、借地権など、不動産に設定されている権利 などの貸付けによる所得
2.所得の計算方法
不動産所得 = 不動産収入- 必要経費

(1)不動産収入:地代、家賃、権利金、名義書換料、更新料、礼金
(2)必要経費:賃貸住宅の固定資産税 、損害保険料、減価償却費、修繕費、管理 
   料、手数料、借入金利子など

3.税額の計算方法
不動産所得とその他の所得、と合計して総所得金額を求め、税額を算出します
4.事業規模の判定方法
事業的規模 かどうかについての判断は社会的通念をもとに決める
※但し、建物の貸付けは下記のいずれかを満たせば事業とみなす

(1)貸間、アパート等 ⇒ おおむね 10室以上
(2)独立家屋の貸付け ⇒ おおむね 5棟以上

5.事業としての不動産貸付けと事業的規模以外の相違点
(1)固定資産の取壊し、除却などによる資産損失の取り扱い、
 ・事業的規模の不動産貸付⇒全額必要経費となる
 ・事業的規模以外 ⇒資産損失差し引き前の不動産所得を限度に必要経費算入

(2)賃貸料等の回収不能による貸倒損失については、
 ・事業としての不動産貸付けの場合⇒回収不能となった年分の必要経費とする
 ・それ以外の場合⇒計上した年分に遡って、収入がなかったものとする

以上、不動産所得について説明いたしましたが、特殊性が高いため、確定申告は専門家に依頼することをお勧めします。

確定申告の詳しいスケジュールや注意点はこちら→

譲渡所得のある人の確定申告

1.譲渡所得とは
土地、借地権、建物、船舶、機械器具、漁業権、取引慣行のある借家権、ゴルフ会員権、特許権、著作権、鉱業権、土石(砂)、特定の有価証券、書画、骨とう、宝石など、資産の譲渡による資産を言います
2.譲渡所得の計算方法
課税譲渡所得金額=譲渡価額-取得費-譲渡費用-特別控除

(1)譲渡価額:売ったことによって得た総収入

(2)取得費:売却した土地や建物の購入金額(建物は減価償却した後の金額)、仲介手数料、立退き料・移転料など、印紙代、登録免許税や登録手数料、不動産取得税など。取得費が不明な場合は譲渡価額の5%を取得費として計上できます。

(3)譲渡費用:土地や建物を売却するために要した仲介手数料、広告費や測量費、印紙代、立退き料、建物の取壊し費用など、

(4)特別控除:居住用財産を売った場合、3,000万円の特別控除など

3.譲渡所得税の計算方法
・長期譲渡所得の税額:課税譲渡所得金額×20%(所得税15%・住民税5%)
・短期譲渡所得の税額:課税譲渡所得金額×39%(所得税30%、住民税9%)

以上、譲渡所得について説明いたしましたが、高度な専門知識が要求されるため、確定申告は専門家に依頼することをお勧めします。

確定申告の詳しいスケジュールや注意点はこちら→

贈与を受けた方の確定申告

1.譲渡所得とは
・毎年1月1日~12月31日までの間に110万円を超える贈与を受けた方
・配偶者控除の適用を受けたい方
・相続時精算課税制度の適用を受けたい方
2.確定申告の期間は
・2月1日~3月15日まで(15日が土・日曜日・祝日の場合は翌営業日まで)
3.贈与税の計算方法
贈与税=(贈与された財産の金額-110万)× 税率 - 控除額
4.相続税の特例
生前贈与を行なう場合には『相続時精算課税精度』がありますので活用しましょう
・相続時精算課税:2,500万円まで課税されない制度
・相続時精算課税の特例:3,500万円まで課税されない制度
・贈与税の配偶者特別控除制度:2,000万円までは課税されない制度
※詳しくは西川公認会計士税理士事務所へお問い合わせ下さい

贈与税は、他の税金にくらべ税の負担が大きく、且つ高度な専門知識が要求されるため、確定申告は専門家に依頼することをお勧めします。

確定申告の詳しいスケジュールや注意点はこちら→